東典男展 〜美-夢・現のはさま〜
これまでの特別企画展
東典男展〜美-夢・現のはさま〜

東典男展〜美-夢・現のはさま〜
10月14日(日)〜11月25日(日)

 この度、戦後まもなくアメリカに渡られ、活躍された東典男氏の作品展が、当館で開催させていただけることとなりました。
東典男氏が陸軍幼年学校の同窓生であった川人明美氏(三浦工業前副社長)との関係から、三浦保氏と初めて会われたのは、1983年のニューヨークでのことのようです。その後、三浦保氏がニューヨークを訪れ、都度アトリエを訪問されていたとのことです。数年後、三浦保氏は自作の陶板画展をニューヨーク、ソーホーで開催されることになるのですが、このことについても、随分東画伯と奥様にお世話になったとお聞きしています。残念にも、今はお二人とも、この世にはいらっしゃいません。しかし、このときのご縁が基になって今回の展示会開催になりました。お二人が共に希望されておられたことを想うと、企画されたというよりも、開かれるべくしてなった展示会です。
さて東画伯は1960年から70年にかけ、10年の間に、当時タブローとの違いが議論されるような独自の新しいシルクスクリーンの技法による版画を、何と7000枚もの作品として、アメリカ全土からの注文に応じて制作されたとのことです。この後、この手法が版画の主流となったことから、アメリカの美術界へ与えた影響は大であったとの高い評価を得ているのは、1971年、アメリカ版画協会理事に就任されていることからも十分理解できることです。
今展でご覧いただく作品の中にも、ニューヨークから送っていただいた6点の版画作品が含まれております。これら以外は全て裸婦がモチーフになった作品ばかりです。おそらく、これだけの裸婦画が展示されるのは愛媛では初めてのことでしょう。単色の背景の中に浮かぶ女性は、まさしく何物にも邪魔されず清潔感溢れる女性美として表現されています。そしてこの描き方から東画伯が見つめ、描いているのは現実の女性である一方、彼の夢の女性像であることを私たちに想像させてくれます。抽象画は作家の心象が表現され、具象はありのままの被写体の情況が表される、といわれたりしますが、莫大な抽象画を制作され、一転してご自分の描かれたい世界へ一気に打ち込んでこられた結果としての作品群は、画家の夢と現実との挟間へ私たちも連れて行かれたような不思議な世界を作り出しているように感じます。
さて単色の背景について、画家の意図は別にあったのかどうかは、ご覧いただく皆様にもお考えいただき、推測していただくことによって、激動の昭和をアメリカで生きられ、他に類を見ないほどその作品がアメリカに受け入れられた画家、東典男の到達した境地を想像していただけるのではないかと楽しみにいたしております。
最後に本展開催のため貴重な作品の貸与など、ご協力いただいた東和子氏に、そして作品の確認、搬出など、ご支援いただいた鈴木秀子氏ほか関係各位に心よりお礼申し上げます。また陸軍幼年学校時代の方々は、長きに亘って同窓の絆を大切にされ、実はこのことが遡ればこの企画展の基になったとも考えます。惜しみなくアドバイスをいただき、エッセーも寄せていただいた川人明美氏に心から感謝申し上げます。

館長 白石 省三

東典男展作品
(チラシ抜粋)

開館時間
休 館 日
入 場 料

:9:30〜17:00(入場は16:45まで)
:月・火曜日
:一般800円(前売600円)、高大生500円、
小中生300円、未就学児無料

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