三浦工業 × 岡田武史 世界に通用する人材とは? 小型貫流ボイラの国内シェアトップを誇る三浦工業(愛媛県松山市本社)を、四国リーグ FC今治のオーナー岡田武史氏が訪問。海外経験豊富な宮内大介社長と、それぞれの観点からグローバルについて語り合った。

撮影/ミウラート・ヴィレッジ(http://www.miuraz.co.jp/miurart/

技術はもちろん、自ら考え行動する人間力が問われる

基礎力とあわせて直感力を磨くことが大切

宮内世界で活躍するには、何よりも自分の価値観をしっかり持つ必要があります。経験に裏打ちされた感性が優れているかどうか、ということですね。これは高校時代の先生の言葉ですが、「理性と感性の一致が一つのあるべき姿だ」と。パッと判断できる感覚、直感力を磨きなさいと。

岡田リーダーになる人間には絶対に必要ですね。監督の仕事でも、最後にものをいうのは直感です。そういう感性はどん底を経験すると持ちやすい。僕は98年に初めてW杯に行ったとき、生活が激変しました。でもある時点で「命がけでやって、うまくいかなければそのときだ」と開き直ったんです。そういうのは大事で、やはり自ら経験することは強い。だから僕は社員に自由にやらせるんですが、三浦工業さんはかなり研修されるでしょう?

株式会社 今治.夢スポーツ
代表取締役会長 (FC今治オーナー)
岡田 武史
早稲田大学卒。サッカー日本代表監督、Jリーグのチーム監督、中国サッカーの監督を経て、14年四国リーグFC今治のオーナーに就任。日本サッカー協会副会長。
三浦工業 株式会社
代表取締役 社長執行役員CEO
宮内 大介
京都大学卒。1997年、三浦工業に入社。2009年執行役員、10年取締役。16年4月社長に就任。愛媛県松山市出身。

宮内ええ。お客様が欲しいのはボイラ自体じゃなくて、ボイラが作る熱です。それを安定供給するためには人の力が重要ですから、研修には力を入れています。私たちはテクノサービスと呼んでいるのですが、顧客に役立つ技術と愛され信頼される人間力を上げていこうと。

岡田なるほど。うちはまだ社員数が少ないから、「失敗してもそこから学べ」というところがあります。これは僕のサッカーの指導方針でもあるんだけど、ときどき複雑な訳の分からない練習をする。そのときは分からなくても、後々の気づきが教えられるよりも深いんです。

宮内おっしゃる通りですね。もちろん、そのためにはまず基礎力が必要です。基礎力をツールにして、その先を考えることができる人が伸びていくのでしょう。

岡田そうですね。うちもそろそろ本腰入れて研修しようかな(笑)。

三浦研修所(最大110名収容の宿泊施設)三浦研修所(最大110名収容の宿泊施設)
研修風景研修風景

経営者として大事なのは方向性を示すこと

宮内私は春に社長に就任したばかりの新米ですが、社長としての役割は明確なゴールを示すことだと思っています。今、私たちがどこに行こうとしているのか。それがクリアなら、社員は安心感と信頼感をもって頑張ってくれるはずです。

岡田僕は自分で経営をやってみて、初めは夜中にガバッと目が覚めるくらい危機感がありました。だから全部自分でやらないと気が済まなかった。でも、あるときスポンサーから「最近の岡田さん面白くない」と言われて、そうか、自分がすべきことはビジョンや夢を語ることだと気づいたんです。宮内社長がおっしゃるように、方向性を決めることだと。それで最近は任せるようにしています。

コミュニケーションの促進が企業を育てる

宮内三浦工業の経営理念は、世界のお客様に省エネルギーと環境保全で役に立つこと。そのための手法としてテクノサービスがあり、それを支えるのが人です。「我々はわが社を最も働きがいのある、最も働きやすい職場にしよう」というモットーに沿ってコミュニケーションを促進させ、個々が何をすべきかを考えられる風通しの良い会社を目指しています。

岡田僕は今あらためて、自分は何のためにやっているんだろうと考えるんです。そうすると、自分の子どもたちに幸せになってほしいと思う。「自然は子孫からの借り物」というネイティブアメリカンの言葉もありますが、そう考えれば環境問題とか答えが出るものはけっこうある。こういう思いは、今の社員は夢を持って集まってくれているから共有しやすいけど、これから入社する人には教育をしっかりしなければいけないでしょうね。

宮内組織が大きくなると、それだけ多様な人材の活躍が必要になります。社員は年に一度以上、研修所に集まって研修を受けます。そこで社員同士コミュニケーションを深め、意見交換し合うことでまた仕事のモチベーションも変わってきます。

岡田経営者としては駆け出しだから、まだまだこれからです。去年のホーム開幕戦で2000人近いお客様が来てくださったときは、もう感動しました。「お客様はありがたい」という気持ちを、この年で初めて知りました。

宮内私はよく「相手への思いやりを持ちながら自分の言いたいことを言える職場にしよう」と言っているのですが、どんどんそういうコミュニティが広がれば、より良い社会になると信じています。

岡田企業は社会貢献しないと存在しないはずですね。だから誰を喜ばせたいのか、もう一度見直してみることも大事かもしれません。日本が本来持っている心の豊かさを失わないような社会になれば、と経営者の一人として願っています。

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