PROJECT INTERVIEW02

燃料電池

MISSION

大きな可能性を秘める
燃料電池を、
世の中に
もっと普及させよ。

PROFILE

PROFILE

大内 崇史OUCHI Takafumi

FCC技術部 FCC技術課
2016年入社
工学府 機械工学専攻修了

火力発電と比べてCO2の排出量が少なく、次世代のエネルギーとして注目を集める燃料電池。ミウラでも熱に関するノウハウを活かして研究開発を重ね、2017年から業界に参入。今後ますます力を入れていく過程で、今回登場する大内にも声がかかる。「ミウラの燃料電池をもっと普及させるため、各種性能を高めよ」というミッションを授かった彼は、どのような思いで、どのようにプロジェクトに取り組んでいるのか。ここまでの道のりを振り返りながら、未来に向けた燃料電池の可能性も語ってもらった。

SUBJECT

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燃料電池とは?

燃料電池にはいくつかの種類があるが、ミウラが取り組むのはSOFCと呼ばれるタイプ。セラミックスを電解質にし、500~800℃の高温で稼動することが特長。都市ガスを燃料に水素を取り出し、電気とお湯をつくることが可能だ。また、発電量5kW級の「業務用燃料電池」という領域で、コンビニや病院、福祉施設、飲食店などへの普及を目指している。

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SUBJECT

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今回のプロジェクトに
関わるようになった
経緯は?

高専から大学に編入し、大学では熱エネルギー変換を専門とする研究室に所属。100℃未満の熱を有効活用する研究に取り組んでいました。ミウラとの出会いは、OBに誘われて参加することになった工場見学です。そこで、研究開発職の社員の方と未利用エネルギーの話題で盛り上がり、就職先として興味を持ちました。入社後、最初に与えられたテーマは、「工場の廃温水が持つ熱に対するヒートポンプ活用」。まさに、私が挑戦したかったテーマです。その研究を2年くらい続けたところで、燃料電池の開発を行う現在の部署への異動となりました。

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SUBJECT

03

このプロジェクトへの
参加が
決まったときの
気持ちは?

最初は正直、戸惑いました。入社前から興味のあった研究テーマからの変更でしたからね。しかし、上司に「この燃料電池は今後、ミウラが最も力を入れていく領域の一つだ」と聞かされ、「そうした大切な領域を入社2年目の若手に任せてくれるなら」と挑戦を決意しました。実際、ミウラといえばボイラのイメージが強いと思いますが、「蒸気」のエネルギーに加え、「電力」も取り扱えるようになれば、より多様なエネルギーソリューションを提供できるようになります。また、私自身の技術者としての成長を考えても、新しい領域への挑戦は必ず力になると思い、燃料電池の勉強をイチから始めることにしました。

SUBJECT

04

このプロジェクトで担った
具体的な役割は?

ミウラの燃料電池は2017年から発売をスタートしました。通常、家庭用の燃料電池の発電量は0.7kW、産業用であれば250kWと大型で、工場などでの使用を想定しています。こうした中、ミウラの燃料電池の発電量は5kW級を目指しました。これはコンビニや病院、福祉施設、飲食店、集合住宅など、今まで燃料電池を活用しづらかったお客様にも幅広く使ってほしいと考えたためです。また、地震や台風などの自然災害による停電も多い日本。非常時のバックアップ電源としても、私たちはより普及してほしいと考えています。しかし、そのためには耐久性や発電効率などの各種性能をもっと高め、コストを下げる必要があります。そこで、それぞれのメンバーが役割を分担し、私は発電効率を高めるための熱交換器の改良を担当することになりました。

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SUBJECT

05

熱交換器の改良で
最も苦労した点、
成長した点は?

ミウラにとって新たな挑戦となる「業務用燃料電池」という領域を進むということは、道なき道を行くようなもの。やってみなければ、わからないこともたくさんあります。たとえば、ある課題では1年近く突破口さえ見えない時期がありました。上司とも何度もブレストし、いろいろなパターンを試すものの、まったく上手くいかない。他のメンバーの改良が順調に進む中、焦りもありました。燃料電池の性能向上は、全体が機能してこそ。相当に落ち込みましたね。しかし、途中から「自分以外の誰がやっても同じ道を通ったはず」と自分を責めるのを止め、ひとつひとつ実験を繰り返していきました。上司をはじめ、周囲の助言や励ましも大きかったですね。諦めずにチャレンジし続けたことで、ゴールにたどり着くことができ、この成功体験は私にとっても大きな自信となりました。

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SUBJECT

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改めて感じた
ミウラの魅力や
今後の目標は?

ミウラは、若いうちから仕事を任せてくれる風土がある一方、上司や同僚も最後まで付き合ってくれる一体感がある会社です。私が1年近く結果を出せずに悩んでいた時期も、上司は何度も遅くまで一緒に残って実験に付き合ってくださいました。目標性能を達成できたときは、上司にもすぐ電話で報告したのですが、電話口で「よかったね」と本気で喜んでくれたことをよく覚えています。現在、ミウラの燃料電池の改良は次のステージへと進んでいます。さらなる耐久性や発電効率、利便性の向上に加えて、今度はこれをいかに安く、量産しやすい設計にするかといった課題に挑戦中です。この燃料電池の改良はきっと、この国の様々なエネルギー問題の解決の一役を担えるはず。一日も早く世の中に送り出し、もっと普及させたいですね。

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