このたびミウラート・ヴィレッジでは「生誕150年記念 郷愁の水彩画家 丸山晩霞展」を開催致します。丸山晩霞は、明治の風景水彩画家の第一人者で、日本における水彩画の発展に大きく貢献しました。また、山岳会(現日本山岳会)へ創立間もなく入会、晩年には日本山岳画協会の創立にも参加するなど、山岳画家としてもその名を知られています。
1867年(慶応3年)、信濃国祢津村(現長野県東御市)に生まれた丸山晩霞は、1888年2度目の上京で、洋画振興の明治美術会を作った本多錦吉郎の彰技堂に入門、洋画を学びました。帰郷後の1895年、家業の蚕種販売と写生を兼ねて群馬県沼田付近を訪れていた晩霞は、写生旅行中であった、彰技堂と縁のある不同舎門下、吉田博と出会い、彼の精密で写実的な技巧の水彩画に感嘆、意気投合し、互いに影響を受け合う中で水彩画家としての道を歩み始めます。1898年には、2ヶ月にわたり、二人で祢津の晩霞の自宅を起点・終点として、当時は秘境中の秘境であった日本アルプスの写生旅行を敢行しています。
明治初期に来日したイギリス人水彩画家ジョン・バーレーの影響を強く受け、渡米経験もある三宅克己との交友が1899年に始まり海外への関心を高めた晩霞は、1900年、不同舎門下の鹿子木孟郎、満谷国四郎、河合新蔵と共に渡米します。パリ万博に出品していた吉田博、中川八郎(内子町出身)は急ぎ米国に戻って4人と合流、「日本人水彩画家6人展」をボストンで開催します。翌年プロビデンス、ワシントンでも開催、どちらも大成功を収め、晩霞の作品は海外でも高い評価を得ました。
ヨーロッパなどを写生してまわり帰国した晩霞は1902年、明治美術会の後身となる太平洋画会の創立に参加します。その後、水彩画の技法書や水彩画専門誌の発行といった出版活動により水彩画ブームの火付け役となった大下藤次郎らと1905年に水彩画講習所を開設、後に日本水彩画会を設立し、後世の水彩画家の育成に尽力しました。
今展覧会では、水彩画に加え日本アルプス写生旅行時の写生や日本画を含む貴重な作品群を、丸山晩霞記念館はじめ、個人所蔵家の皆様のご協力を得てご紹介いたします。
展覧会名 | 生誕150年記念 郷愁の水彩画家 丸山晩霞展 |
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開催期間 | 2017年9月3日(日)~10月15日(日) |
開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:45まで) |
休館日 | 月・火曜日(祝日は開館) |
主催 | ミウラート・ヴィレッジ(三浦美術館) |
協賛 | 株式会社ミウラ |
協力 | 丸山晩霞記念館 |
後援 | 愛媛県教育委員会、松山市教育委員会、愛媛新聞社、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、愛媛CATV、FM愛媛 |
入場料 | 一般800円(前売り600円)、高大生300円、中学生以下無料 ※65歳以上の方は年齢確認ができるものをご提示いただければ前売り料金となります。 ※障害者手帳をご持参の一般の方はご本人と同伴者1名様まで前売り料金となります。 |
《関連イベント》
2017年9月10日(日)
13:00~14:00
丸山晩霞展記念館 学芸員 佐藤聡史氏によるギャラリートーク
※事前申込不要。入場料のみでご参加いただけます。