三浦工業株式会社設立50周年は、その大半が、草創期より、強固な経営基盤造りに至る期間であり、全精力を傾注された創業者三浦保氏の闘いの歴史であったといえます。文化が個人の感性に由来すると全く同義語として、企業文化の形成には経営者の思想、信念がその基となると考えます。そのようにしっかり意識され、一流の企業造りを決意され、企業は人なりならば、社員が一流であるように、そしてそのためには経営者が一流であらねばならないと自己規定されたと思われます。
ほんの数名であった町工場の時代に、「世界一安くて良いボイラを創ろう」というスローガンを掲げられ、仕事に対する取り組み方はもとより、日々の行動一つ一つ、仕事以外にいたるまでも一流を志向されました。 趣味、遊びであっても自分を高めることができるものでなければ、高次元での判断を仕事においてはできないものなのだというような考え方であったと思われます。そのことが、能、陶芸などへの姿勢にもはっきりと 現れています。「何の道においても一流を目指さなければ、所詮は単なるお遊びになり、結局はその本質と出会わぬ内にやめてしまうことになる。一流を目指すためには、一流の師に付くことが何よりも大切である。」とは常々言われていたことであります。
三浦工業株式会社50周年を機に、企業として更に発展を目指すとき、創業者の経営者としての人間形成への強い決意とその根拠に思いをめぐらすことは、何より重要なことと考えます。
サブテーマ「人生を楽しむ」は、三浦保氏の言葉から引用させていただいたものです。その言葉の前半は「仕事を楽しみ」です。長い道のりの中で起こる全ての事象を、積極的に受け入れ、これらと対峙された経営者としての境地が表現されていると思われます。経済危機に対しても、これをポジティブに捉え、その機をも活かして、社員の人間形成に熱意を注がれた氏の日々の熟思から生まれ出た言葉が書かれたものを、今回初めて展示させていただきます。それらは「今週の言葉」として書かれた文章ですが、皆様にご覧いただけるようにデジタル化させていただきました。現物そのものではありませんが、間違いなくご本人のものですので、展示についてもお許しいただけるものと思います。
日本のエネルギー活用のあり方を画期的に変革した事業家の、経営哲学を支えた「遊び」から生まれた作品をゆっくりご覧頂き、併せて氏の人となりに思いをはせて頂ければ幸いです。
展覧会名 | 三浦工業50周年記念 三浦 保 展 ~人生を楽しむ~ |
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開催期間 | 2009年5月16日(土)~6月21日(日) |
開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:45まで) |
休館日 | 会期中無休 |
主催 | ミウラート・ヴィレッジ(三浦美術館) |
共催 | 株式会社ミウラ |
後援 | 愛媛県教育委員会、松山市教育委員会、愛媛新聞社、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、愛媛CATV、FM愛媛 |
入場料 | 一般500円、学生以下無料 |