今回、「愛媛の現代工芸作家10人展」を思い立ち、(社)現代工芸美術家協会愛媛支部の責任者である、龍泉窯の池田さん等に提案させていただいたのですが、二つ返事で実現の運びとなりました。
それは、今年の9月に全国の現代工芸美術展を、ミウラート・ヴィレッジで開催させていただくことになったきっかけとその後の話し合いの中から、愛媛における現代工芸に対する危機感と共に、将来への夢のような熱いものが幹部の方々から感じられ、そのお役に立てられるのであればとの想いからの提案でありました。話が進むにつれて、10人展は12人展になりました。更に増えてくれることは望むところであります。
ところで私たちはややもすると、芸術の価値を、過去からの贈り物のように考えたり、自分の日常生活と離れたものと見てはいないでしょうか。確かにいつの時代においても、新たな批評と共に紹介される、古い時代の芸術作品に、興味を示す私たちのような美術品鑑賞者はいたでしょうし、それと共に、先輩作家たちと彼らが手がけた作品からの影響を受けなかった作家はいなかったでしょう。伝統の芸術の上に、その時代が要請するところの新たな感覚が加えられたり、また削られることから生まれるのが「現代」と言われる作品の位置付けだと考えます。言い換えれば、古くからの伝統的な芸術も、その当時、その時代の作家たちが、苦心しながらその時代にしか造れなかった作品を世に送り出してきたと言うことでしょう。
その意味で、今展は愛媛の現代工芸作家12人が、苦心しながら制作した「現代」の作品たちをご覧いただける機会ともいえます。
この展示会を、出展作家の皆様の相互の啓発と、ご自身の新たな創作のきっかけにしていただければと、心から期待いたしております。そしてご覧いただく皆様には、芸術がより身近なところで生み出されているものであることを、実感していただける良い機会となれば幸いです。
展覧会名 | 愛媛の現代工芸作家12人展 |
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開催期間 | 2007年6月2日(土)~7月1日(日) |
開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:45まで) |
休館日 | 月・火曜日 |
主催 | ミウラート・ヴィレッジ(三浦美術館) |
共催 | 株式会社ミウラ |
後援 | 愛媛県教育委員会、松山市教育委員会、愛媛新聞社、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、愛媛CATV、FM愛媛 |
入場料 | 一般500円、学生400円、未就学児無料 |