Q & A

[水処理機器]

水処理の基本

ろ過装置は何する装置ですか?

粒状ろ材や高分子膜などの多孔質の物質を利用して、懸濁液(個体の微粒子が液体中に分散している混合物)中の微粒子を大きさに応じて分別することをろ過と言います。
工場では、井戸から汲み上げた地下水や、水道水と比較して安価である工業用水を浄水場と同等もしくはそれ以上のろ過を実施して、要求水質まで処理して使用することで経済効果を創出できます。また、水道水との水源二元化よる災害時の備えのため、BCP対策にも使用されています。

ろ過装置の種類はさまざまあります。ろ材(アンスラサイト・Mセラミック・ろ過砂・活性炭など)が充填されて目的物をろ過する緩速ろ過や急速ろ過、UF膜やMF膜などの水処理膜を利用して除去や除菌する膜ろ過装置などです。

また、ろ材を使ったろ過装置には容量選定も必要です。原水水質に応じてLV値(※1)やSV値(※2)およびろ材の寿命を考慮し選定します。

※1 LV(線速度)‥‥ 処理水流量(m3/h)をろ過塔の断面積(m2)で割ったもので、ろ過塔に単位時間当りどれくらいの流量が流れるかを表します。
※2 SV(空間速度)‥‥ 処理水流量(m3/h)をろ材量(m3)で割ったもので、単位時間辺りろ材量に対し、どれくらいの流量を処理するかを表します。

ろ過装置の正常稼動には前処理が必要です。前処理では次亜塩素酸ナトリウム、PAC、pH調整剤などが使用されます。次亜塩素酸ナトリウムは殺菌や鉄・マンガンイオンを酸化させ、抽出、沈殿させます。PACは凝集剤として使用され、微細な粒子を塊(フロック状)にし、ろ過しやすくさせます。pH調製剤はPACでの凝集効果を高めるために適正なpHに調整します。

このようにろ過システムは、さまざまな要素があり、要求水質や水量を考慮して設計されます。

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