PFAS分析(有機フッ素化合物)


PFASとは
PFAS(Per-and Polyfluoroalkyl Substances)とは、炭素とフッ素の強力な結合を持つ有機フッ素化合物の総称です。自然界で分解されにくく、環境中に長く残留しやすい性質を持つことから、「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」とも呼ばれています。


PFAS規制
PFASの環境汚染や健康リスクに対する懸念の高まりを受け、より多くのPFAS物質の規制や基準の厳格化が進んでいます。EUでは20物質を合計して100 ng/Lを基準値とする飲料水規制が進み、米国においてはPFOS、PFOAをそれぞれ4 ng/Lという基準値で規制する動きが出てきています。残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)においては、PFOS、PFOA、PFHxSが順次、製造・使用を制限する物質として追加されていましたが、2025年5月時点ではC9~C21のPFCA(PFNA等)13物質の製造・使用を「廃絶」することが決まりました。


PFASの国内規制状況
PFOS・PFOAだけでなく、PFHxSやPFHxA、GenX、PFNA等8物質が要検討項目に
日本国内においても、環境におけるPFAS規制や目標値の設定が進んでいます。


PFOS/PFOAが2026年から水質基準(PFOSとPFOAの合計値として50 ng/L以下)として定められ、定期検査が始まります。その他に、人の健康の保護に関する要監視項目として、公共用水域や地下水において暫定的な目標値が水質基準と同様の基準値が定められています。
さらに、国や地方自治体の動きとして、PFOS、PFOAに加え、PFBS、PFBA、PFPeA、PFHxS、PFHxA、GenX、PFHpA、PFNAを含む合計8物質を要検討項目とし、排水管理や環境調査の対象として検討する動きが加速しています。このように、PFAS規制は対象物質が拡大する傾向にあり、より広範な物質の分析・管理が求められています。
ミウラのPFAS分析サービス
ミウラでは、長年培ってきた分析技術と最新の設備を駆使し、お客様の多様なニーズにお応えするPFAS分析サービスを提供しています。特に、規制強化が進む中で重要となる多項目分析に強みを持っています。


分析可能なPFAS対象物質
PFOS・PFOAの他に、要検討項目(8物質)を含む44物質に対応
ミウラでは、規制対象となっているPFOS・PFOAはもちろんのこと、国内で要検討項目とされている8物質(PFHxS、PFHxA、GenX、PFNAなど)を全てカバー。さらに、将来的な規制対象となる可能性のある物質も含め、最大44物質の一斉分析(ISO 21675/EPA Method 1633等)に対応しています。


主な分析対象物質(一部抜粋):
物質群 | 代表的な物質名 |
---|---|
PFCAs(ペルフルオロカルボン酸類) | PFBA (C4), PFPeA (C5), PFHxA (C6), PFHpA (C7), PFOA (C8), PFNA (C9), PFDA (C10), PFUnDA (C11), PFDoDA (C12), PFTrDA (C13)等 |
PFSAs(ペルフルオロスルホン酸類) | PFBS (C4), PFPeS (C5), PFHxS (C6), PFPeS(C7), PFOS (C8), PFNS (C9),PFDS (C10)等 |
その他PFAS関連物質 | GenX, ADONA, PFOSA, 4:2 FTS, 6:2FTS等 |
多項目を一度に分析することで、コストや時間の削減、そしてより包括的なリスク評価が可能になります。「どの物質を分析すべきか分からない」といったお客様にも、規制動向や試料の種類に応じて最適な分析プランをご提案します。
対応しているPFAS分析方法


幅広い試料のPFAS分析(飲料水・井戸水・地下水・土壌等)に対応。弊社のPFAS分析は、LC-MS/MS(液体クロマトグラフ質量分析計)法など、国内外で標準とされる分析方法に準拠しています。これにより、高感度かつ高精度な分析結果を提供します。
上記以外の試料についても、分析可能な場合がございます。お気軽にお問い合わせください。
ミウラのPFAS分析が選ばれる理由


弊社のPFAS分析サービスは日本全国対応可能。納期をお急ぎの場合はご相談ください。可能な限り迅速に対応させていただきます。また、分析結果に対してご不明点や評価・対策に関してのご相談などもお受けしております。
PFASに関するお悩みや分析のご要望は、PFAS分析の実績豊富なミウラにご相談ください。
よくあるご質問
- Q1. どのPFAS物質を分析すればよいか分かりません。相談に乗ってもらえますか?
- A1. はい、もちろんです。お客様の業種、目的(排水管理、環境調査、土壌汚染調査など)、規制状況などを踏まえ、最適な分析項目をご提案させていただきます。分析対象物質数、試料の種類、試料数、ご希望の納期などによって費用が異なります。
- Q2. 多項目分析のメリットは何ですか?
- A2. 複数のPFAS物質を一度に分析することで、個別に分析を依頼するよりもコストを抑えられ、納期も短縮できる場合があります。また、規制対象物質だけでなく、関連するPFAS物質の状況も把握できるため、より包括的なリスク評価や将来的な規制変更への備えにつながります。
- Q3. 欧州ではPFAS分析が多数行われていると聞いたことがありますが、どのような規制が行われようとしていますか?
- A3. 欧州では、飲料水におけるTotal PFAS(20項目)について、2026年1月12日までにEU加盟国の要求を満たすよう求める動きがあります。また独自により厳しい基準値を設けて管理する国も出てきています。
- Q4. 直鎖体と分岐異性体の取り扱いについて
- A4. 現時点では日本国内の水道水、環境水、排水においては直鎖体の検量線を用い、直鎖体と分岐異性体のピーク面積を合計して定量する(直鎖体のみの報告も併せて行うケース有り)。EPA1633やISO21675は分岐異性体を含む標準品を用いて検量線を作成し、合計濃度として定量する(厳密には各分析法にて条件が異なりますので、ご相談ください)。
ご依頼から結果報告までの流れ
1. ご依頼
お電話(089-960-2350)もしくは弊社担当者宛にメールにてお問い合わせください。
依頼書をご送付ください。
2. 容器準備
弊社よりPFAS専用の容器をお送りします。(※お客様にて準備する場合は、都度ご相談ください。)
3. 試料送付
採取量については下記リンクをご確認ください。
水の場合は、冷蔵便での発送をお願いします。
4. 報告書送付
報告書をお届けいたします。
PFAS汚染は、目に見えないからこそ正確な分析による現状把握が不可欠です。 ミウラは、信頼性の高いPFAS分析サービスを通じて、お客様の環境保全活動と事業継続を力強くサポートいたします。多項目分析や規制対応など、PFASに関するあらゆるご相談をお待ちしております。
