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慶應義塾大学 田中浩也研究室と三浦工業が3D積層造形を用いた高性能熱交換器を共同開発

2023/11/20

ニュースリリース

慶応義塾大学SFC研究所
三浦工業株式会社

 慶應義塾大学SFC研究所(住所:神奈川県藤沢市、所長:飯盛義徳、以下「SFC研究所」)の環境情報学部 田中浩也教授と三浦工業株式会社(東京本社:東京都港区、代表取締役:宮内大介、以下「三浦工業」)は、3D積層造形※1を用いた高性能な熱交換器※2を開発(特許出願中)いたしましたのでお知らせいたします。

1. 開発の背景

SFC研究所は、3D積層造形に関するソフトウェア、適用ノウハウを保有しており、三浦工業は自社製品に搭載する高性能な熱交換器の開発に向け、3Dモデルの設計、性能検証を実施してまいりました。従来の熱交換器は板や管などの既製材料を用いて金属プレス加工※3や板金加工※4、溶接などの工法による形状の制約がありました。今回、3D積層造形を用いることで、今までの形状の制約から脱却した、複雑に入り組んだ構造が再現可能となり、高性能かつコンパクトな熱交換器の開発につながりました。

挿入図1.jpg

1周期分のジャイロイド構造   ジャイロイド構造を用いた熱交換器のカットモデル

2.    開発の特長

熱交換器の内部構造にはジャイロイド構造※5を用いており、より高い熱交換器性能と機械的強度が得られます。高性能な熱交換器を用いることで、熱エネルギーを有効活用でき、各業界における脱炭素社会の実現に向けて、大きな役割を果たすと期待されます。今後、製品化を目指し、取り組みを進めてまいります。
         

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熱交換器用のジャイロイド編集ソフトウェア


※1 3D積層造形・・・アディティブ・マニュファクチャリングの1つで、3Dプリンタを用いて素材となる金属などの材料を積み重ねることで様々な形状を造形する加工法で、複雑な形状を作り出すことが可能です。
※2 熱交換器・・・工場などから出る熱を利用し、温水や蒸気を発生させ給湯や加熱などに利用する機器です。
※3 金属プレス加工・・・金型の形に成形する加工方法で、金属の板などの被加工材を金型に当て専用のプレス加工機で圧力をかけることで成形します。
※4 板金加工・・・金属プレス加工が「特注の金型」を使用し、ほとんどの作業を機械が行うのに対し板金加工は「汎用金型」を使用し人の手、もしくは人が機械を操作しながら加工を行います
※5 ジャイロイド構造・・・三重周期極小局面の一種で、三次元的に連続する面を持ち、空間を二分する構造です。その特異な構造がもたらす優れた機能を期待できることから、近年様々な研究領域で注目を集めています。

お問い合わせ先

三浦工業株式会社 ブランド企画室
TEL:089-979-7019 FAX:089-979-7126
Mail: info_miuraz@miuraz.co.jp

慶應義塾大学SFC研究所 デジタル駆動超資源循環参加型社会共創コンソーシアム
Mail: dmec@sfc.keio.ac.jp

以上

20231120_3D積層造形を用いた高性能熱交換器を共同開発.pdf

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